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イエアメガエルは定期的に裏側を見よう 〜健康管理はお腹の観察から・赤足病について〜

飼育

イエアメガエルのエメグリと共に暮らすようになり、餌やウンチの問題も少しずつ解消し(悩んでいたときの事はこちらに記してあります)、その後も毎日の様にチェックしている事があります。

それは、裏側(お腹側)を見る事です。

時には、ミリオンバンブーの土がついたり、いつくっついたのかコオロギの足がついていたりもしますが、何より体や手足がいつもの健康なときの色かどうかを確認しておく事が大切だと思うからです。

今回は、『赤足病』という病気と、お掃除などの環境管理について、書いていきたいと思います。

赤足病とは

【正式名称】
細菌性皮膚敗血症』と言います。

赤足病は、細菌が原因の病気です。
手足やお腹が赤く充血しているようになるようです。

しかも、一見して「これ、腫れてない?」と思うようであると、病気が明らかに進んでいて手遅れになってしまう場合もあるそうです。

爬虫類や両生類を診てくれる病院も限られますし、自分でなんとかする事しかできない可能性もあります。
飼育を始めるにあたって、診てくれる病院が通える範囲内にあるかどうかをチェックしておくことも大切です。また、カエルを飼育するという時点で簡単な知識だけでも持っておくと、いざという時の為にもなると思います。

症状の進行による経過

大腿(もも)・腹・喉元・指の皮膚が充血して赤い様になり、一皮下に赤い斑点ができたり腫れている様な状態になる。血管が目立つ様になり、皮膚がブヨブヨシている感じになる。
悪化していくと出血や壊死を起こしてしまう。皮が剥がれてしまったり、皮膚から骨がでてしまったり、指そのものが取れてしまうこともある。
食欲が減り体重も減少し、元気もなくなり、体の光沢が無くなってくる。皮膚全体が浮腫んだ感じになってくる。
悪化により痙攣、昏睡、死に至る。

考えただけでも、怖いですね…。

これは、ごく一般的な経過です。個体によっては進行速度も違ったり、症状の出方が違う場合もあり得るので、あくまで指標として参考にしてみて下さい。

カエルが元気に動き回った後、脚や腹部に軽く赤みを感じることがあるかと思います。それは血流が良くなっただけの正常な場合もあります。正常な赤みの場合は、おとなしくしていたら数時間で元に戻るのがひとつの判断材料となります。感染症では一度出た赤みは軽く見える場合はあっても完全には引かないでしょう。

冷静になり、赤みの範囲や皮膚が腫れたようにブヨブヨしていないか、血管が浮き出ている事はないか、日頃からの変化に気づく事が大切だと思います。

原因

原因はAeromonas hydrophila(エロモナス・ヒドロフィラ)の感染とされています。
赤足病は、飼育下の両生類の病気としては珍しいものではないようです。
また、カエルツボカビ症との関連もないとはいえないとの報告もあります。
反面、野生の両生類では非常に発症例は少ないそうです。

つまり飼育環境が不衛生だと、感染しやすいと考えられます。

治療法

治療は獣医師の指示の下で

色々な治療法があるようですが、飼育環境や個体差もあるでしょう。
なにより、獣医に指示された場合は、そちらに従って下さい。

飼育を始める際に、予め自宅から通えるエキゾチックアニマルを診てくれる動物病院を探しておくか、相談できる機関やショップさんを見つけておくと良いと思います。

飼育者が異変に気付いたとしても、動物病院まで連れて行かされ普段と違う場で待つという事は、カエルにとって負担が大きいです。少しでも心配であれば、なるべく早く体力がある段階で診てもらう事を心掛けて欲しいです。

夏場は保冷剤、冬場はカイロや湯たんぽ等が必要となります。動物病院へ行く前に、電話やインターネットでのチャット等を利用して症状を伝えて、「診てもらう事が可能なのか」「同じ様な症状を診たことがあるのか」を聞いておくことをおすすめします。

多頭飼育の場合は、速やかに隔離します。異変のある個体も元気な個体も、どちらに対してもケージやレイアウト全般の洗浄が必要です。

民間療法

以下に記す方法は、あくまで医師の下ではなく、ご自宅でできる限りの事をするという点で参考になさって下さい。その場その場の判断力も伴いますので、厳しいようですが自己責任で行って下さい。

多頭飼育の場合は、感染した個体は速やかに群れから隔離する。
ケージ内を掃除する。木炭で浄化する。(木炭を使用する場合は1週間くらいごとに取り替える。替える度に新しい物にする)
塩分0,15%の塩水で薬浴するか、0〜5度の低温(冷蔵庫)でしばらく飼育する。
これで回復する個体もあるようです。
赤足病の強力な感染力に対抗すべくメチレンブルーとアクリノールの合剤の薬浴をする。
抗生剤(テトラサイクリン)を水槽の水に添加して薬浴(皮膚から薬を吸収させる)。

一般的な治療法を書いてみましたが、実際のカエルの状態をみつつ、行う必要があると思います。

市販薬について

上記したように、いくつかのアイテムが必要だという事が分かります。
①「塩水(ナトリウム)での体表面の殺菌、体液・代謝・排泄の促進」
②「メチレンブルーでの水性真菌(水カビ)対策」
③「アクリノールでの外傷の保護」
④「テトラサイクリン(人間用として市販しているテラマイシン軟膏)での抗菌」
大きく分けて、これらがあげられると思います。

実際に市販しているものでどんなものがあるか、それがどんな役割となるのかまとめてみました。

『メチレンブルー水溶液』→②への効果
主成分:メチレンブルー
金魚などのお魚を飼っているたいていの方が、この薬か『グリーンFリキッド』のどちらかは持っているか知っていると思います。
安価で多様性があり、液状で使いやすい薬です。
有効成分は、色素剤でもあるメチレンブルー。
主な対象病名は、白点病、水生真菌症(水カビ病)です。
かなり毒々しい青色で一度触れるとなかなか色が落ちないので、できれば薬浴用の容器や水槽、専用にしたバケツでのみ使うことをオススメします。
光によって有効成分が分解していまうので、暗い場所での使用を心掛けましょう。

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『グリーンFリキッド』→①②③への効果
主成分:メチレンブルー
    アクリノール
    塩化ナトリウム
「金魚が病気にかかったら、まずは先述のメチレンブルーか、このGFL!」というほどポピュラーなものです。
成分はメチレンブルーが主体で、白点病水カビ病等に対して働きます。
塩化ナトリウム+アクリノールによって、外傷部分の保護についてもアプローチするようです。
ただ、アクリノールは殺菌剤ですが、細菌感染予防的な効果(静菌に対する作用)であると言えます。
液状なので使いやすいというメリットはありますが、アクリノールが必要だと判断できない場合は少し高価ではあります。

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『テラマイシン軟膏』→④への効果
こちらは、ペットショップではなくドラッグストアにて購入できるものです。火傷の後の水疱等からの感染症に対して使うことが多い抗菌薬です。お家の救急箱に一本あってもいい物だと思います。

実際の外傷部分に塗布して、回復を望むものです。塗ると水を弾くので、薬浴の後に使います。腹部に塗るのではなく、脚や背中の赤みがある部分に、少量薄く乗せる感じで使います。

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『抗菌目薬の使用』も視野に入れておくと良いと思います。

ものもらい等に使う抗菌目薬を、1日1滴腹部に滴下して吸収させるのですが、この時に選ぶ目薬は必ず防腐剤等の添加物を含まない“非ステロイド薬”を選んで下さい。

点眼薬の使用は上記した民間療法とは別で、赤足病とは限らずとも何かしらの細菌感染の可能性が見受けられたり、心配な場合の早めの対応として(予防的観点で)使用するイメージです。やたらと薬漬けにしてしまうのではなく、病院へ連れて行くまでの間に更なる悪化を防ぐ為のものと考えて下さい。

繰り返しとなりますが、いずれについても、動物病院や身近の有識者の方の指示が最優先となります。薬剤を使用するのは自己責任と考えて下さい。

注意すべき事

全ての薬浴での濃度について言える事で、当たり前ですが、濃度が負担になり逆効果になる事もあります
それと気軽にできるからと、つい塩水濃度を気にしない方もいるようですが、元々海で生息している訳ではないので、塩分により体の水分バランスが崩れる場合もあります。塩水浴の際には、脱水にならないように気をつけなくてはなりません。
それと、名前がよく似ている薬剤があります。『グリーンFゴールド』やら『ニューグリーンF』という薬剤も売っていますが、『グリーンFリキッド』と『グリーンFゴールド』等は、成分が全く違います。つまり、一生懸命使っても対象としている症状に対しての効果が得られません。

必要な成分を把握し、症状に対して必要な成分(効果)が含まれている薬剤を知っておくと、いざという時に落ち着いて対応できるかと思います。

必要なのは定期的な掃除と観察

可愛いカエルの為には、なにしろ、病気になる前に病気になりにくい環境作りを大切にしなくてはいけません。

時々、カエルが居ても汚れを見つけたら掃除していますが、やはり毎日生活しているケージ。通気孔が多いとはいえ、見ている側が思うより遥かに狭い空間です。

イエアメガエルの飼育、健康管理に觀察する
見た目だけじゃなく、綺麗な環境がいいよね!

カエルが我が家に来てから1ヶ月程度経った頃、そろそろ拭き掃除だけでは匂いが気になるかな?と感じてきました。
カエルには一時的にちょっと狭いケースに入っていてもらい、ケージを外のシャワーで丸洗いしました。

ちなみに、カエルに狭いケースに入っておいてもらう際には、カルキ抜きしたお水を少量入れておきましょう。

どうしてもゴシゴシとしても取れない汚れがパッキンに入り込んでついていましたが、ある程度闘ってもおちないのであれば、仕方なく目をつむるしかありません。
流木を水で流したところ、乾いて全く見えず気付かないでいた脱皮の皮が浮いてきました。
「菌類などの見えない汚れ」ではなく「見えづらい汚れ」もある事を実感しました。
つまり定期的にケージ全体を洗う必要性を感じました。

水洗いの後、ケージは水気を拭き、流木も拭いて、匂いもしっかりとれました。

イエアメガエルの飼育、健康管理に觀察する
丸々してきた事も把握できます…半目で寝ています

清潔にしておかねばならないのは分かるけれど、さてどこで判断や線引きをするか…。
カエルにとっての過ごしやすい環境と人間の価値観はちがいます。
ただ、ケージ内はある程度の温度と湿度があるので菌の繁殖も早いのです。
当たり前の事なのですが、定期的にケージ全体を掃除(我が家の場合は丸洗い)する事の大切さを、病気になる前に知っておく事は大事だと感じるばかりです。

まだまだ長いお付き合いとなるのだから、これからも知識を増やしていきたいと思います。

追記

今回は感染症のひとつである『赤足病』について書きましたが、感染症の原因となる菌はこれだけではありません。他にも健康管理やケージ内の環境により、色々な感染症になる場合があります。

いずれの場合でも、日々の観察は大切です。まずは目に見えやすい腹部や脚の赤みのチェックを心掛けてみて下さい。

その後、10ヶ月程経って、イエアメガエルのお世話(我が家のお掃除ルーティンやケージの丸いの方法)をこちらにまとめてみましたので、是非ご覧下さい。

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