今回は、少し重たい事情をお話します。約1年前の話しを、今やっとすることにします。
内容としては、カナヘビの怪我と病気についてです。
2年前の夏に我が家で卵から世話をし産まれたカナヘビが、1年弱の寿命で息を引き取りました。1年間よく頑張ったと思います。そして、同時に次々とトラブルが起き、その他2匹のカナヘビまで亡くしてしまいました。
正直、私の飼育管理状況が問題だったのかもしれず、ブログでは触れたくない事でもありました。
ベビーカナヘビが自然界では生き残れないだろうと判断したのは秋の「これから冬眠の時期」というかなり前のことだったので、時期的な事からも外に放すことはせずにいました。この状態でいつまで生きていてくれるのだろうか…、どうしてやれば良いのか…、いつも心配した状態のまま日々過ごしていたのも事実です。
その後、なんとか春を迎え、やっと食欲が出てくるかな?という時期にバタバタとカナヘビ達のトラブルが起こったのです。
この記事が、読んで下さったどなたかのカナヘビライフをより良くする参考になれば…。病気を未然に防げれば…。そんな思いも込めて書くことにします。
ここから先は、厳しいカナヘビの病気の姿の画像もありますので、何卒ご理解頂いた方のみ、読み進めて頂けたらと思います。
我が家(私)の中での決まりとケジメ
弱いカナヘビ…病気と気付いたカナヘビ…。それでも、我が家では自然界から捕まえてきたカナヘビについては“病院へ連れて行くという選択肢は選ばない”と決めているので、この記事を読まれた方からは「カナヘビへの愛情や飼育者としての責任はないのか?」と思われるかもしれないと感じると、とてもつらいです。正直、とてもしんどいです。
その上で、最期まで看取るという事をしました。その対応も、詳しい方からしたら「何も分かってない!」とお考えになる内容かもしれません。ただ、今回はこんな出来事もあるのだということや、ここから何かお役に立つ事をお伝えできるかと思い、ブログとして載せます。ご承知おき下さい。
小動物のシビアな現実
現実問題として小動物(特にエキゾチックアニマル…爬虫類・両生類等)の病気というのは、もう気付いた時には既に病院へ連れて行っても治らなかったり、通院させることが返って個体へ大きな負担となり、死期を早めてしまう恐れもあります。
今回の件についても、カナヘビに負担をかけてしまうだけで、自然界で生きられるだけの回復を望むものではないと判断もしていましたし、余命は幾ばくもないのだろうとも判断していました。それと、立て続けに違う状態で病気や怪我が続いた事もあり、家で看取ることを選ぶことになりました。
今回は『くる病』による奇形のキッズカナヘビ、交尾からの『怪我』、元気なキッズも菌が蔓延している場からの『足赤病の感染』…という、最悪なパターンでした。
カナヘビ4匹が全て隔離となった経緯
春からの活発さと共に起きた変化
春になり、大人カナヘビのニッチャン♂とニシタ♀は冬場のゆったりさがなくなり、活気を取り戻したのですが、それと同時にニッチャン♂が必死に交尾を始めました。
最初は「そんな季節になったか…」と思っていましたが、ある日、ニシタ♀が血だらけになっていてびっくり! でも、血はニシタ♀のではなく、交尾を迫った時に拒否したニシタ♀に顔を噛み付かれたニッチャン♂の口の部分からの出血でした。
ニッチャン♂は噛まれた場所が悪かった様で、それでも交尾をしようとしてしまい(つまりメスのお腹に噛み付こうとするので)、左側の顎が全体的に腫れた状態になってしまいました。 ニシタ♀からすぐに離し、清浄綿で拭いてゲンタマイシン(抗菌剤)が少し残っていたので、それを塗っていたのですが薬が無くなってしまいました。痒さが出たのか違和感からか、赤玉土に患部を擦ってしまう事が増え、アズノール(消炎鎮痛剤)だけでもと考えて塗っていましたが、そこから左顎全体が壊死の様に取れてしまったのです。
そこからは、完全なる治療モードのケースにしたのですが、餌を食べるだけでも毎回出血してしまう状態が続き…。再生してきた顎も、完全にできないうちにまた取れてしまったり…。 そんな風にニッチャンの看病の日は続いたのですが、それと同時に一回目の越冬をクリアした2匹のベビーカナヘビ達は、どうも相性が良くなかった様で、1匹は逞しく!もう1匹はだんだんと弱っていました。
冬を越した後に弱っている状態が更に浮き彫りに
キッズになったカナヘビの弱った方(オギ♂)は、もともと兄弟間でも尾切りした様な臆病な性格でしたが、春になり更に弱って、終始怯えて餌もまともに摂れなくなりました。後から考えたら、常に何かの下に隠れて光を浴びている姿を見る機会もありませんでした。そしてそこからだんだんとクル病の状態が見えてきました。
習性との闘いと多頭飼育の影響
そこで、元気なメスのニシタ(母親)と初の越冬を終えた元気なオスのノボ(子供♂)を同じケースに入れ、怪我や病気をしたカナヘビを隔離したところ…、なんとノボがニシタに向かって交尾をしようと試みてしまい!大きさの差から、ノボはニシタに頭からかぶり付かれるという危険な状態となってしまいました。ノボは怯えましたが、少しでも近付くとニシタが身を守ろうとノボを攻撃をしてしまい…。隔離せざるを得ませんでした。
気付いてからでは遅い感染症
最終的にカナヘビを1匹ずつ隔離するという状態になったのですが、オギの容態が悪化し、そこから足赤病らしき症状もみられ…。亡くなりました。
気付いてからすぐに隔離や餌やりの順番や使う道具の管理など…頑張ったのですが、一度怖い目にあったノボも食欲が落ち…。足赤病に感染してしまいました。
個体ごとの観察記
クル病と闘った記録【オギ♂】
オギは産まれてから常に身を潜めて、あまり(日光浴に出てきませんでした。明らかに顎の発達も奇形でしたし、冬になる頃にはクル病の可能性が見られました。
個室に移してやり、日陰は作ってやりながらもできるだけ紫外線を浴びる様に心掛けるようにさせました。
他の冬越ししたカナヘビのサイズよりもかなり小さく、下顎の作りが極端に小さく噛み合わせができていないことが分かります。目も不自然に腫れていて、どうやら左目が見えていない様子でした。
春になってから日に日に食べも悪くなり、水を飲むのも自力ではしなくなったので、定期的に飲ませてやっていました。
その後に現れた症状は、顎を動かすと左目から出血(鮮血)をする。それも一定時間で止まる。溜まっていた血が出たからか、瞼の腫れが引いて瞬きが出来るようになるけれ、日に日にだんだん目を閉じる事ができなくなっていく。。見ていてとてもしんどい状況でした。
左目はかなり前から見づらかったと思いますが、瞼を閉じられなくなるまでは見えていたようです。でも瞼が閉じられなくなると共に失明。右目は見えている様子でした。
自力で獲物を認知できないので、抱っこしてピンセットから水分多めのグラブパイやカットしたイエコを舐めさせながら与えることになりました。
舌の色がだんだん全体的に灰色がかって、二股に別れている舌の片方がうまく動かせなくなってきました。
生き物の飼育は、人の子育てでも同じ事がいえますが、知識があっても対応できるかどうかは別だったり、気をつけていても裂けられない怪我や病気になったりします。
水分だけはこまめに与え、舐めるだけでも餌を与え…。そんな生活が約3週間続きました。というか、数週間も頑張って生きてくれたことに感謝です。
ありがとう、オギ。
怪我を負っても交尾してしまう悲しい習性【ニッチャン♂】
ある日、去年も同じ水槽で過ごしたニシタ(成体♀)と、その美女を追いかけ回しているニッチャン(成体♂)の音を聞いていたのですが、なんだかうまくいかない様子。
不思議に思い、覗いてみたら、ニシタ♀のお腹が血まみれでした!
驚いて、なんとか2匹を離して見ると、出血の出所はニッチャンの顎でした。
ニッチャンはかなりの長寿カナヘビなのか、とても大きかったので、ニシタ♀を別のケースに移しました。
それでも食欲はあり、餌を食べる度に顎の部分に赤玉土が張り付いしまい、一見治ってきたかと見えても同じ再生部分が剥がれ落ちてしまうようになりました。
とても強い子だったので、左の顎が削ぎ落とされて口の中が見えてしまっても、自力でイエコも食べていました。周りに弱みを見せないという感じではない気がしましたが、元気なうちにしっかり治療しなくてはいけないと思い、狭いけれど治療しやすく衛生的にしやすいケースに移し替えました。
集中治療室として、ティッシュと小皿の水だけ。
口元でしたが食事の後は『アズノール』という薬を綿棒で薄く塗って過ごしました。『ゲンタマイシン』という薬の方が良かったかもしれませんが、その時は手元にありませんでした。
傷は良くなってくれても、再生してくれる様子はありませんでした。というか、再生してきても、食事をするとそこが剥がれ落ちてしまうのです。
いつまで続くかは分からない治療を続けましたが、直接的な死因は恐らく熱中症でした。私の管理の落ち度です。
暑い日ではありましたが、そんなに長く外に出した訳でもなかったのですが、少しその場を離れて様子を見た時には亡くなっていました。
私が見て感じていたより、遥かに確実に体力が落ちていたのでしょう。死期だったのかもしれません。でも、もっと長生きして欲しかったです。
ありがとう、ニッチャン。
赤足病に気付いた時には手遅れでした【ノボ♂】
ノボについては、写真がありません。
看病や看取るこに疲れ、でもノボは大丈夫だと過信していた事もありましたが、赤足病と気付いてからは安易にスマホを触るのも怖くて、そして撮るのも躊躇われました。
前日まで元気にしていたノボでしたが、赤足病の感染が足に見られてからは、早かったです。
手足が赤くなるという訳ではなく、段々と赤茶色っぽくなりながら皮膚の弾力性が失われ、関節が動きにくくなっている印象でした。
そこからは毎日2回の温浴をしたり水分補給と餌やりをしましたが、2週間ももたず亡くなってしまいました。
後悔なのか自然でも起こりうると割り切るか…
今回は立て続けに3匹に対して可哀想なことをしてしまったと後悔もしていますが、今後に繋がる学びや経験として捉えていきたいと思います。
2022年7月現在、ニシタ♀と新たなカナヘビ仲間5匹、その他イエアメガエルや昆虫類や水棲動物たちと一緒に暮らしています。⇩の記事に現在の様子を載せてあります。
勇気を出してこの記事を書いていて、勢いも必要で…。まとまりがなかったりして、読みにくかったらすみません。
でも、少しでも悩んでいたり、同じ様な境遇の方と共感できたり、学びに繋げられる事でお役に立てたらと思っております。
なるべく飼育されている側も飼育している方も無理の少ない環境を目指して、やっていきたいです。長くなりましたが、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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